2016年 02月 22日
日本の面影 |
昨日は、竹中大工道具館(新神戸駅からすぐ)で開催中のエバレット・ブラウンさん
の湿板写真展「日本の面影」を拝見してきました。また昨日は関連イベントとして3人
の若き職人、庭師:山口陽介さん、左官:都倉達弥さん、茅葺:相良育弥さんとエバ
レットさんの対談も拝聴し濃密な一日となりました。その内容を少しご紹介いたします。
早朝より福山を出発し開館(9:30)5分前に到着した我々一家。期待を胸にいざ入館。
そこには大小のモノクロの写真が出迎えてくれています。そもそも湿板写真とは何ぞや
というとになりますが、説明がありましたので簡略してお伝えします。
写真の原点は紀元前4世紀頃だそうです。そして1820年に写真が誕生。1850年代に
湿板写真ができたようです。
湿板とは
薬剤を塗ったガラスに撮影しネガをつくるものでその工程は
1コロジオン液をつくる2.ガラス板を磨く3.感光液の塗布・浴銀4.撮影(十数分間)5.現像
定着6.水洗い・乾燥
と何とも手のかかる工程です。しかしそこに写っている写真のすべてに宿っているんです。
何が!?
安易な言葉では言えませんが深い魂のような・・・。 書かれていた言葉を借りると
’たんに古いものではなく匠たちが生きてきた時代から今日に及ぶ
「時の堆積」「技の深み」「惜別の思い」。
まさにそんな空気感が一枚の写真からひしひしと伝わってきました。
講演でエバレットさんは茶室「大庵」を撮った時は利休の想いを感じ、大工道具では作って
いる職人の魂を感じ、またそこに住んでいる人の想いを感じ・・・、するとそこに流れている
水脈が分かってくるそうですが、そういう意味で言うと現代の日本は戦後そして高度成長
を経て、また先祖返りをしているそうです。それは若い人ほどそうであると。ではその先祖
返りではありませんが3人の若き職人さんのお話しを抜粋してご紹介します。
若きと言いましたが山口さん、相良さんはs55年生まれ 都倉さんはs62年生まれです。
私と同世代(いやまだお若い)。
上記写真は今回の展示会の為に創られたコラボ作品
皆さんに共通していること、それは海外での経験があるということ。そこからまた日本とい
う文化をみていることで幅と深さを持ち合わせた方々だな~と数時間でしたが感じました。
お話しの中で私に響いた文言を抜粋します。
シンガポールで日本を伝える時、日本の材料を伝えるのではなく日本人がするとこうなる
という人を伝えた(山口氏)
日本はそこに機能だけでなく美しさを求める。そして海外ではあるものを使うという発想だ
が日本はあるものを活(生)かす知恵がある(都倉氏)
職人はその気配をだしてはいけない。その土地の声を代弁していく、それが伝統を残すと
いうこと(相良氏)
まだまだあり講演中、私の中にある職人魂もビンビンに反応していたのですが文章がもう
すでに長くなっていますのでもうこの辺で・・・。
最後にこの日一番の興奮そして「え~~!!!」とビックリしたことが。それはエバレット
さんの写真でも紹介され今回のパンフレット表紙に使われているこの写真。
エバレットさんがお話しの中でこの写真は’これが今の日本ですよ~'と説明されてるのを
聞いて実は良く分からなかったんです。この写真、皆さんみてどう思われますか?鍛冶屋
職人さんの工房風景ですがどうみても昭和しかも初期。
しかし本当に今の写真だったんです。今日、このご夫妻が来られています!とご紹介!
もう感動しかありません。ウル覚えですが40年以上毎日ご夫婦でこうして作業されてる
そうです。今日は、今まで続けてきたご褒美だと言われてました。
帰りの道こんなことを思いました。それは
どんな職業であれ或いは主婦の方であれ職人になれる!
ということ。もちろん厳しい修行をしてということでなく、’思いを込める’ということは
日常生活のなかで誰もが出来る事、そしてその連鎖がより良い未来を創っていく
のだろうと思います。
今回、長文また拙い文章で失礼しました。何か伝えたいことが多くて・・・。
3人の職人さんと将来の職人(何になるかな)との貴重なショット!左から庭師の山口さん、左官職人の都倉さん、茅葺職人の相良さん、今のところ笑顔職人の年弘くん。
の湿板写真展「日本の面影」を拝見してきました。また昨日は関連イベントとして3人
の若き職人、庭師:山口陽介さん、左官:都倉達弥さん、茅葺:相良育弥さんとエバ
レットさんの対談も拝聴し濃密な一日となりました。その内容を少しご紹介いたします。
早朝より福山を出発し開館(9:30)5分前に到着した我々一家。期待を胸にいざ入館。
そこには大小のモノクロの写真が出迎えてくれています。そもそも湿板写真とは何ぞや
というとになりますが、説明がありましたので簡略してお伝えします。
写真の原点は紀元前4世紀頃だそうです。そして1820年に写真が誕生。1850年代に
湿板写真ができたようです。
湿板とは
薬剤を塗ったガラスに撮影しネガをつくるものでその工程は
1コロジオン液をつくる2.ガラス板を磨く3.感光液の塗布・浴銀4.撮影(十数分間)5.現像
定着6.水洗い・乾燥
と何とも手のかかる工程です。しかしそこに写っている写真のすべてに宿っているんです。
何が!?
安易な言葉では言えませんが深い魂のような・・・。 書かれていた言葉を借りると
’たんに古いものではなく匠たちが生きてきた時代から今日に及ぶ
「時の堆積」「技の深み」「惜別の思い」。
まさにそんな空気感が一枚の写真からひしひしと伝わってきました。
講演でエバレットさんは茶室「大庵」を撮った時は利休の想いを感じ、大工道具では作って
いる職人の魂を感じ、またそこに住んでいる人の想いを感じ・・・、するとそこに流れている
水脈が分かってくるそうですが、そういう意味で言うと現代の日本は戦後そして高度成長
を経て、また先祖返りをしているそうです。それは若い人ほどそうであると。ではその先祖
返りではありませんが3人の若き職人さんのお話しを抜粋してご紹介します。
若きと言いましたが山口さん、相良さんはs55年生まれ 都倉さんはs62年生まれです。
私と同世代(いやまだお若い)。
皆さんに共通していること、それは海外での経験があるということ。そこからまた日本とい
う文化をみていることで幅と深さを持ち合わせた方々だな~と数時間でしたが感じました。
お話しの中で私に響いた文言を抜粋します。
シンガポールで日本を伝える時、日本の材料を伝えるのではなく日本人がするとこうなる
という人を伝えた(山口氏)
日本はそこに機能だけでなく美しさを求める。そして海外ではあるものを使うという発想だ
が日本はあるものを活(生)かす知恵がある(都倉氏)
職人はその気配をだしてはいけない。その土地の声を代弁していく、それが伝統を残すと
いうこと(相良氏)
まだまだあり講演中、私の中にある職人魂もビンビンに反応していたのですが文章がもう
すでに長くなっていますのでもうこの辺で・・・。
最後にこの日一番の興奮そして「え~~!!!」とビックリしたことが。それはエバレット
さんの写真でも紹介され今回のパンフレット表紙に使われているこの写真。
エバレットさんがお話しの中でこの写真は’これが今の日本ですよ~'と説明されてるのを
聞いて実は良く分からなかったんです。この写真、皆さんみてどう思われますか?鍛冶屋
職人さんの工房風景ですがどうみても昭和しかも初期。
しかし本当に今の写真だったんです。今日、このご夫妻が来られています!とご紹介!
もう感動しかありません。ウル覚えですが40年以上毎日ご夫婦でこうして作業されてる
そうです。今日は、今まで続けてきたご褒美だと言われてました。
帰りの道こんなことを思いました。それは
どんな職業であれ或いは主婦の方であれ職人になれる!
ということ。もちろん厳しい修行をしてということでなく、’思いを込める’ということは
日常生活のなかで誰もが出来る事、そしてその連鎖がより良い未来を創っていく
のだろうと思います。
今回、長文また拙い文章で失礼しました。何か伝えたいことが多くて・・・。
by plus--y
| 2016-02-22 12:32
| 学び
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